PTFEからPEEKへ
PFAS規制について
欧州の化学物質管理規制であるREACH規則において、PFAS(有機フッ素化合物)を規制する提案が、2023年1月13日にデンマーク、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデンの5つの当局から共同で欧州化学品庁(ECHA)に提出され、2月7日に公表されました。
PTFEの特性
PTFEはテトラフルオロエチレンの重合体で、フッ素原子と炭素原子のみからなるフッ素樹脂です。一般的には「テフロン™」として知られています 耐熱性、滑り性、非粘着性、耐薬品性、低摩擦性、絶縁性に優れた性質を同時に兼ね備えるプラスチックです。
高い耐熱性を持ち、融点は327℃。高温環境下でも劣化しにくいため自動車部品や食品製造工程で使用されます。
また、ほとんどの薬品に対して非常に高い耐薬品性を示します。これは、フッ素原子と炭素原子の結合が非常に安定しているためです。
特に精緻な科学反応を行う研究部品や医療機器(チューブ、カテーテル、輸液部品など)でも広く利用されています。
さらに非粘着性を持つため、ほとんどの物質がくっつかず、長時間・繰り返し使用が可能です。
代替材料としてのPEEK提案
優れた特性をもち合わせているPTFEですが、自然環境や人体への影響が懸念され、PFAS規制により使用が厳しくなることが予想されます。 その代替材料として注目されているのがPEEK樹脂です。 PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)は高性能プラスチックで、耐熱性、耐薬品性、機械的強度などの特性を持っています。
またPEEKはPTFEと同等以上の耐熱性を持ち、さらに耐薬品性や機械的強度も高いため、代替材料として適しています。
山田精工での実績
PFTEに比べてPEEKは加工性が優れており、形状の自由度が高くなります。材料の切り替えと部品の形状変更を通じて、PEEKを代替手段として考えています。
山田精工の部品設計において特筆すべき特徴は、射出成形による量産を考慮した生産性の高い部品形状と、長年にわたる材料特性に対する知識を活用することです。
このような特性を踏まえて、PEEKを適切に導入し、部品設計の最適化を図ることをお勧めします。
切削による試作部品
金型製作による試作
より複雑で精密な試作が必要な場合、試作金型を製作することをお勧めします。
山田精工では長年の金型製作の実績により、高い精度での試作部品をご確認いただけます。
金型での製作となりますので、試作品の数が多く必要となる場合は、
最終的なコストが抑えられる場合もあります。
その他の実績はこちら
量産工場の技術者が製品を設計するため、量産時の生産性を視野に入れた適切な製品をデザインすることができます。 材料特性を熟知している現場での意見を取り入れることで、生産時のロスや設計の出戻りを最小限に抑え、生産しやすい製品を設計できます。
さらに無理のない生産プロセスを構築することで製品のばらつきを減少させ、品質の安定性を向上させることも可能です。
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※造形物が【著作権や知的財産権に抵触する可能性がある場合】
【武器や凶器となる可能性がある場合】【公序良俗に反する場合】は、
造形依頼に応じられません。また、造形後に問題が生じても弊社は一切の責任を負いません。
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