
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)とは
PEEKは「Poly Ether Ether Ketone(ポリエーテルエーテルケトン)」の略号で、日本語では「ピーク」と呼ばれます。
耐熱性、耐薬品性に優れたスーパーエンプラの一つで、医療機器や自動車関連部品として使用されています。
山田精工では、開発中のマイクロニードルの材料としての実績があります。医療用グレードのPEEKを用い、極細の針形状を形成。山田精工の高精度、超薄肉形状を成形する技術とも相性がよく、また耐薬品性が必要とされる医療機器の部品としても実績を積んでおり今後の展開に期待しています。
他にもエンジンまわりの自動車部品や、高温ハンダが使用される電子部品にも採用されています。軽量化や性能向上のために他の金属や樹脂などの材料をPEEKに変更されることがあります。
金属からプラスチックへの材料替えをするにあたって、PEEKの優れている点は高い耐熱性と耐薬品性が挙げられます。たとえば、食品製造工程など高温になる環境でも高い強度があり、金属のように用いることもできます。
また、水や薬品への耐性もあり、水蒸気などの水気の多い環境や酸やアルカリの薬品が使用されている環境であっても性能の劣化が少ない材料です。さらに金属切削ではできない形状も、プラスチック射出成形で制作できる可能性があり、部品点数の削減や組立工程を無くすことにより、費用を抑えることも検討されています。
PEEKのデメリット
PEEKのデメリットは樹脂自体が高価なことです。1kgあたり1万円以上するのが普通です。ただし、他の材料からのPEEK材への変更により小型・薄型が可能となれば材料の特徴を考えたときにコストパフォーマンスが良くなることも大いにしてあるため、積極的に検討されています。
さらに高耐熱性の樹脂であるがゆえ、部品製作には高温成形する技術が必要であり、また耐熱仕様にカスタマイズされた成形機が必要です。
山田精工では、長年LCPをはじめとした高温樹脂の製造をしてきました。高温樹脂へのノウハウや高温仕様の成形機設備も完備しております。また医療用クリーンルームでも成形可能です。
PEEKは航空宇宙分野でも注目されており、軽量でなおかつ物性や耐熱性が優れているため金属や他の材料を代替する材料としても注目されています。
PEEK部品をご検討されておりましたらお気軽にお問い合わせください。材料選定から形状までご提案させていただきます。
PEEKの一般特性と耐薬品性(ポリプラエボニック VESTA KEEP2000G)
PEEKの一般特性

PEEK耐薬品性
山田精工での実績
開発品 PEEK製マイクロニードル

高い耐熱性、機械特性、耐薬品性などの優れた特性をもつPEEKを使用したプラスチック製注射針です。
針部の最小肉厚は40ミクロン。超薄肉成形技術をPEEKで確立しました。
針部の最小肉厚は40ミクロン。超薄肉成形技術をPEEKで確立しました。
針部を形成するための精密加工技術は医療分野、自動車分野など幅広い展開が期待されています。
医療用 内視鏡先端部品

薬液や体液への耐性を考えたPEEKでの部品製作も可能です。
内視鏡の先端部品として成形には精密加工の技術が使われています。
●主な用途

歯科用器具部品
PEEKを薄肉の筒状に成形することにより、精密なチューブとしても展開が可能です。

ベアリング保持具
ベアリングのボールを保持する精密部品にもPEEKが組み込まれており、厳しい環境化であっても高い強度と寸法安定性を求められる部品に使用されています。

チューブジョイント・コネクタ
優れた耐薬品性により医療用器具としても多く用いられています。多様な酸・塩基に対する耐性があり、有希望倍に対しても優れた安定性があります。
ベスタキープ(ポリプラエボニック)

ベスタキープ2,000Gは、EVONIK社(独)が製造する熱可塑性スーパーエンプラ:PEEK樹脂の中粘度ナチュラルグレードです。
特に射出成形に適した加工性を有しています。